境内・社殿

本宮の境内の広さは約17000坪、徳川家康公寄進の神殿、楼門を中心とした御神域は御神徳の偉大さを物語っています。また、富士山8合目以上は奥宮境内地であり、約120万坪の広さに達します。古来富士山は富士山本宮浅間大社の御神体として崇められる神聖地であって数々の霊場行場があります。

本宮社殿

慶長9年(1604)徳川家康が奉賽のために造営したもので、本殿・拝殿・舞殿・楼門等壮観を極めたものでしたが、寛永安政等の大地震で破壊したものもあり、当時の建物で現存するのは本殿・幣殿・拝殿・楼門のみです。

本殿

本殿階上 二重の楼閣造で棟高45尺、浅間造りと称し其の構造は他に例がありません。1階は5間4面葺卸の宝殿造り、2階は間口3間奥行2間の流れ造りで共に桧皮葺です。明治40年5月27日古社寺保存法により特別保護建造物に指定され以後国宝又は重要文化財として特別の保護を受けてます。

拝殿・幣殿・透塀

拝殿 幣殿・拝殿は本殿と同じく徳川家康公の寄造営によるもので、屋根は本殿と同様檜皮葺、外側・内側は丹塗となっておりますが、極彩色は蟇股・虹梁彫刻などにとどまります。  幣殿は、本殿と拝殿をつなぐ「作合」と呼ばれた部分で、間口5間・奥行3間の両下造、北面には本殿の屋根の端が露出しています。元は石畳でしたが、現在は床に改められています。  拝殿は、間口5間、奥行5間で、床が幣殿より2段高くなっています。正面が入母屋造、背面が切妻造で、正面に向拝が1間出ています。正面に扉があり、左右は蔀戸によって区切られています。正面左右には濡縁を巡らせてあります。

楼門

楼門 楼門は、間口4間、奥行2間半、高さ6間半2階入母屋造で、正面・左右脇に扉が付きます。楼門の左右には随身が安置してあり背銘に慶長19年(1614)の年号があります。楼門に掲げる扁額は聖護院入道盈仁親王の御筆で文政2年に制作されたものです。

本宮境内

正面大鳥居から鏡池に至る約50メートルの参道を進み、楼門より入り参拝して湧玉池神田川沿いのふれあい広場の順で進むと境内を一周することが出来ます。

鏡池

鏡池 楼門前の池で一名眼鏡池とも云われます。中央の輪橋は大正4年御即位記念として石造りに改められました。

桜の馬場

桜の馬場 5月5日勇壮な神事流鏑馬式が執り行われる馬場です。馬場にはご神木の桜が植えられています。これらを含めて境内には500本以上の桜が植えられ、春には桜の名所として賑わいます。

鉾立石

鉾立石 楼門前の石段上にある自然石は鉾立石といい、明治初年まで行われていた山宮御神幸の際、神鉾を休め奉った所です。

湧玉池

湧玉池 東脇門を出ると平安朝の歌人平兼盛が「つかうべきかずにをとらん浅間なる御手洗川のそこにわく玉」と詠じた湧玉池があります。この池は富士山の雪解け水が何層にもなった溶岩の間を通り湧出するもので、特別天然記念物に指定されています。 清水の湧出する水源の岩上には朱塗優雅な水屋神社があります。富士山登山者はこの霊水に禊ぎをして登山する古くからの習わしがあります。

富士山頂上浅間大社奥宮

富士山頂上奥宮 富士山頂上奥宮 例祭:8月15日
表口(富士宮口)から上りつめたところの山頂に鎮座します。御祭神は浅間大神(木花之佐久夜毘売命)を主祭神とし、相殿神として父神大山祇神、背の君瓊々杵尊をお祀りします。 7・8月の開山期には、神職が奉仕し、国家安泰、氏子・崇敬者・登拝者の安全を祈念するほか、家内安全等の諸祈願、結婚式の奉仕、お札・お守りの授与、金剛杖・行衣等の御朱印の授与も行っています。

富士山頂上久須志神社

久須志神社 例祭日:8月15日
須走口、吉田口、河口湖口の登山道の頂上に鎮座します。この神社は奥宮の末社で、大名牟遅命、少彦名命をお祀りします。

登拝・お鉢廻り

富士山の御神徳を拝しながら登山する事を登拝といいます。富士登山は平安末頃から始まり、江戸時代大きく発展し、富士講という団体登山が行われるようになりました。 登拝は、金剛杖をつき「六根清浄」を唱えのぼり、頂上では両奥宮参拝後、お鉢(火口の事)廻りをするのが習わしです。時間は約1時間です。

大内院

大内院 旧噴火口の事で幽宮とも称え禁足地となっています。その深さは8合目まで達しています。

金明水・銀明水

金明水 銀明水 頂上のわずかな落差によって湧く御霊水です。登拝者はこのお水を受けて浅間大神の御神徳を戴くのです。 金明水は、久須志神社の西北方、白山岳に麓に、銀明水は、御殿場口登下山道の起点にそれぞれあります。

八神峰・剣ヶ峰

剣ヶ峰 日本最高峰の碑 大内院周辺には剣ヶ峰・白山岳・久須志岳・成就岳・朝日岳・浅間岳・駒ヶ岳・三島岳の八神峰がそば立ち、これを巡回するのをお鉢廻といいます。 八神峰の内最も高いところは剣ヶ峰で、頂上には標高3776メートルと記した日本最高地点の碑があります。 また、日本で一番高所にある富士山測候所が峰上にあります。

虎岩

虎岩 火口に大きくつきだしている岩で、その姿が蹲る虎に見えることからこの名があります。

雷岩

雷岩 剣が峰と白山岳の間の外輪にある岩で、この方角から強い雷雲がくる事からこう呼ばれています。 近づくと無数のヒビが見えますが、これは強い雷にうたれて出来たともいわれます。

割れ石

割れ石 小内院の上の方、白山岳の端にある縦に割れたようになっている岩です。白山岳が昔釈迦岳と呼ばれていたので「シャカの割れ石」と言われていました。今は危険なため通行止めとなっています。

御来光

御来光 富士山頂での朝日を御来光(ごらいこう)といいます。東北奥宮正面より拝むことができます。

影富士

影富士 富士山の影が雲海に映るのが影富士です。

夜景

夜景 久須志神社正面より関東を望む。