令和2年度 国宝重要文化財等防災施設整備事業
「富士山本宮浅間神社本殿」(注:指定時の名称。現社名「富士山本宮浅間大社」)は、慶長9年(1604)徳川家康が奉賽のために造営したもので、二重の楼閣造で棟高45尺、1階は5間4面葺卸の宝殿造り、2階は間口3間奥行2間の流れ造りで共に桧皮葺、浅間造りと称し其の構造は他に例が無い貴重なものです。
明治40年5月27日には重要文化財となり、この文化財を火災から守るため、昭和28年度から30年度にかけてドレンチャー設備等を設置しました。平成17年には、従来の自動火災報知設備及びドレンチャー設備・避雷設備等の交換・廃止と、感熱知器や総合盤、加圧エンジンポンプ等を設備し、以後補助金を受けて年2回の消防設備点検実施、不具合の生じた箇所を修理・交換してきました。
ただ、神社は市街地の中心に位置するとはいえ、社地背後には山林を背負い、さらには社殿屋根が植物性の屋根(檜皮葺)であることもあり、不審火や山林火災による延焼の恐れがあり、その場合において従来の熱感知器では、火災発見が遅れる可能性が指摘されており、早急な改善が望まれていました。
このような状況から、早期に火災発見を可能とする最新式の赤外線炎感知器、煙感知器、これらの機器を統括する受信機の設置を、文化財保存事業の補助金の交付を受けて実施しましたので以下の通り御報告致します。